設計事例に、先週お引き渡しをさせていただいた「W・BOX」の写真をUPしました。20代の御夫婦がギリギリの予算の中で、家を建てたいと考えたローコスト住宅です。ローコストと聞くとHMや地域のビルダーさんが、坪単価50万円代の工事費を売りにしている広告を見掛けることがありますが、坪単価で言えばほぼ同じぐらいの予算でした。ですがそれらとは大きく違う点は、造ろうと目指していたものは「建物」ではなく「住まい」だということ。
だからエアコンも設置されていれば、ロール・スクリーンや照明器具も設けています。外構工事に関しても、最低限必要だと思う物を検討し、それらをコストを抑え方法で設置する方法を考えています。また玄関前には家の顔にもなるシンボル・ツリーを植え、建物にゆとりも施しています。
計画を始める前のクライアントとのお話合いの中で、「ご予算だけを重視するのならば、ローコストをうたうHMや地域のビルダーに依頼することも一つの選択肢では?」と、お話したこともありました。ですが、「出来れば唯一無二の自分の家が欲しい。第一、他と同じではつまらない」と言われ、そこまで言われるのならば――と、動き出したのが始まりでした。
設計事務所に依頼すると、ヘンテコな建物を考えたり、コストの掛かる建物になってしまうと思われがちですが、実はそうでもないと思います。この建物のように、施主の熱意があれば、苦労はするでしょうが、ナントかなる場合もあります。と言うことで、いろいろと大変でしたが楽しい家造りでもありました。
工事に関するご協力は、小田原市内の株式会社安池建築工房様でした。丁寧な施工に感謝致します。