Diary 2001年5月6日

男はコインを握りしめ「運試しでもしてみるか」と呟いた。コインを渡し、ブラックボックスの中から、一枚のカードを店員に渡した。
「運とは時として、人に見せつける事も必要だからな」 意味不明な言葉を吐く男。

店員は三角に折り畳まれた紙を、そっと開いた。俺は店員の眉が、右32度の角度に3mm動いたのを見逃さなかった。
突然!店員は紙を見つめたまま右手で狂喜の鐘を打ち鳴らす。
「おめでとうございま~~す!一等プレステーションの当たりで~~~す!」

周囲から怒号と歓声が上がった!「スゲ~!良いなぁー!」男を調子ずかせるには充分な賞賛の声だった。男は振り返り小声で言った。
「また幸運の天使が舞い降りたようだぜ、相棒」

この男、いつか殴ってやろうと心に決めた俺だった・・・。