Diary 2005年3月17日

野沢尚氏の「魔笛」読了。
野沢さんの本は「破線のマリス」以来だったと思うが、兎に角ビックリした!凄い!
ここ最近読んだ本の中では一番だった。中身は最初からイキナリ、ピークを迎えている。

大勢の人で賑わう渋谷のスクランブル交差点で、それは始まる。
まるで何かの儀式のように、一発の爆弾が弾ける。
教祖逮捕で崩壊したカルト集団、野に放たれた殺戮マシーンが動き出す。
最後の一瞬を目指して。

なんて感じなのだけど、読み進めると、ただの有体なカルト集団の狂気を書いたものではなく、
もっともっと深い闇の部分が浮かび上がってくる。

闇の中に沈んだ犯人、それを追う一人の刑事、その妻、爆発物処理班の若きスペシャリスト、
教祖、公安・・・・・それぞれがドップリと闇を抱えているか、闇の中に身を落としている。
深かったぁ・・・・いろんな意味で。

全ては「最後の一行」の為に書かれた秀作でした。堪能した。

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