Diary 2006年7月16日

建築家“篠原一男”さんが、亡くなられた。享年81歳、また一人大家が消えた。
篠原氏は、違いが分かる男の“清家清”さんに師事し、御自身は高橋晶子さんなどを排出する系列を残す、第二世代の筆頭建築家だった。66年の「白い家」は有名だけど、昨年の2005年にも学会賞を受賞するなど、晩年まで一線でのご活躍だった。

篠原氏の著書『住宅論』を読み、考えさせられる点も有ったが、個人的には「大好きな建築家」・・・・・ではなかった。
ゴメンなさい。

と言うのも、「建築家たるもの、チマチマした住宅の設計をするのはけしからん!そんなものは何れ企業が乗り出し、建築家などは立ち入る隙も無くなるに違いないから」と言う、戦後の小住宅論に関して、ともすれば否定的な発言をされる事が多かったからだ。

その話や発言を雑誌などで読んでいた、私がガキだったから、思わず反発するように篠原さんの本なども読まなくなった。
そんな篠原さんだが、実は沢山の住宅を設計されていて、そのどれもが素晴らしい。

今なら、なんとなく分かるような気がする・・・・・・・篠原さんの気持ちが。
良い住宅を造るには、お金が掛かりますよね。
それに、施主に媚びるだけでは、「良い住宅」は造れませんよね。
だいたい、「良い住宅の定義が不明」な時代ですよね。
長い間、お疲れ様でした。合掌。