読んだ本 1冊
■夜歩く/横溝正史著 読了 <今年7冊目>
せむし男、酒乱、近親相姦、首の無い死体、夢遊病、隔離された部屋の美女、と、本格派ど真ん中の作品。勿論、金田一が登場して事件を推理する訳だが、ミステリーのドロドロした感じがイイ!
だいたい書名の「夜歩く」と聞いただけで、カー好き(ディクスン・カー)なら、喜んでしまう。
(カーのデビュー作も“夜歩く”だから)
と言っても、似ているのは「首無し死体」だけで、プロットやトリックは別物。でもカーのデビューが1930年で、本作が49年だから、多少意識していることは間違いないでしょう。
それにしても1949年当時に、既にこれだけのトリック&テクニックが用いられていたことに、今更ながらに驚く。
私の場合、ミステリーを読む時は純粋に楽しみたいので、読みながら「こいつが犯人か?」とか「この行動は怪しいぞ」と言った具合に、探りながら読まない。作家に騙されるなら、キレ~イに騙されたいと思っている。で、きれいに騙されたので、嬉しかった♪
やっぱ、横溝正史凄いわ~~~(←今更/笑)
蛇足だが、本作後半の舞台となる「鬼首村(おにこうべむら)」は、『悪魔の手毬歌』に登場する鬼首村とは別の土地で、どちらかと言うと『本陣殺人事件』の舞台でもあり、正史が疎開していた岡山県倉敷市真備町に雰囲気が近いと言う説もある・・・らしい?
『本陣殺人事件』に関する詳しいことは、『犯行現場の作り方』を、お読みください。
(と、サラッと宣伝もしておく抜け目無さ/笑)
犯行現場の作り方
安井 俊夫