『名探偵の呪縛』 読了 – 29

名探偵の呪縛
名探偵の呪縛
東野 圭吾
図書館から別の世界へ迷い込んでしまった作家である主人公は、その世界で名探偵・天下一に変身していた。一見、何の変哲も無い町だが、そこは「本格推理小説」の存在しない町だった。と言う事で、東野氏が96年に書かれた『名探偵の掟」の続編とも言える作品。
本格推理から離れてしまった作家の、悲哀と決意とアンチテーゼがゴチャゴチャに混ざった作品。「本格推理」と言う概念がまったく無い町で起こる、奇妙な密室殺人・人間消失・閉ざされた山荘・快刀乱麻な名探偵と、本格要素が満載。
ライトな感覚ながら、それなりに本格テイストが楽しめる作品でしたが、「名探偵の掟」の方が、個人的には好きでした。でも東野さんの本格物は、一見の価値があります。