神戸市が、民間の建築審査機関が行う中間・完了検査に、市職員が立会い同行出来るような条例を作るそうな。これを建設業界の専門用語で、『二度手間』と呼ぶ。
↓
ここ
それって、民間の検査機関を信用していないって事かな?耐震偽装事件のような、現場での間違いやインチキをチェックする為の中間・完了検査だが、「民間なんかに任しておけるか!行政が立ち会わねば信用できん!」ってこと?百歩譲って、両機関によるダブル・チェックなら完璧でしょ?・・・ってことかな?だとしたら、何処まで図々しいんだろう。
だいたい民間の検査機関が作られる事になったきっかけは、阪神・淡路の震災。被害にあった建物を建て直す為に素早く認可し、着工させるためには、とても行政だけでは手が足りない。その作業の円滑化を図るために、いろんなプレスが掛かって作られたのが、民間の検査機関。その後「官から民へ」なんて、耳障りだけは良い言葉を並べていた獅子丸首相の後押しも有って、「行政を助ける的」な雰囲気で民間検査機関は増えていった。その時も業界内では「民間になることの弊害」が懸念されていたにも関わらず、いろいろな組織や団体の圧力の下に、無理やり作られたって感じだった。それが一度、姉歯みたいな事件が起こると、「行政の対応に手抜かりは無い。悪いのは、間違えたのは全て民間。だから民間は信用できないんだよな~」なんて事になっている。いつの間に、そんなふうに事実が書き換えられたのだろう?
ダブルチェックが重要だと言うのなら、行政の行う検査も、民間に立ち会って貰えば良い。それとも民間は間違うけど、行政は間違わないとでも言うつもりだろうか?問題を解決したいのか、自分の身を守りたいのか?一番大事なのは、そこ。趣旨がズレていると手間ばかりが増えてしまい、結果に表れない。大事なのは、全てにおいてコンセプト・ワーク。守るべきは行政ではなく、施主なのではないでしょうか。