作家小説 (幻冬舎文庫)
有栖川 有栖
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推理作家が描く、自虐ネタっぽい短編集。
でも、そこに隠れているのは、氏の本音なのかも?(笑)
実力はあるのだが、何かが足りずに目の出ない若手作家。彼を出版社の地下秘密裏に作られた部屋に缶詰にし、強制的に書かせる「書く機械 ライティング・マシーン」は、「缶詰」と言う言葉が持つ、どこか甘美で憧れさえも抱かせるキーワードを、星新一チックに描く。
また締め切りが迫るも、なんのアイディアも浮かばず、無駄な思考のループに陥る作家の苦悩を描く「締切二日前」には、思わず笑ってしまう。
その他にもホラー色の強い「殺しにくるもの」「書かないでくれます?」と言った作品や、作家二人が漫才をする「作家漫才」なども含まれている。
新本格派の代表作家は、「幅が広いのね~」と感じさせる一冊。
今年58冊目を読み終えたのだが、ここまできたら、あと二冊読んで60冊にしたい。
だって切が良いから。ガンバル。