沈底魚
曽根 圭介
JUGEMテーマ:読書
今年最後の一冊は、今年度の乱歩賞受賞作である、曽根氏の『沈底魚』。中国、北朝鮮の動向を探る日本警察・公安二課。日本の閣僚の中に、中国のスパイ「沈底魚」が潜むと言う情報を得た公安は、静かに動き出す。誰が味方で、どの情報が正しいのか?エスピオナージど真ん中の一冊!
スパイ小説が乱歩賞に相応しいか否かは、私が口を挟むべきことではないので、その件に関してはスルー。純粋な作品としての面白味は、充分にミステリアスで、最後まで謎を含んでおり、楽しめた。ただ、公安部外事課二課という特殊なセクションに馴染みが無い事が災いし、誰が良い者で、誰が悪者というイメージが捕らえにくかった。その結果、ある意味では「何でもあり」の前提が出来てしまい、結末の意外性が、薄い印象になってしまったような気がする。
それでも今年読む最後の一冊に、相応しい内容だったと思います。と言いつつ、積読本の山から、次の一冊を手にするのですが・・・・(笑)