けんばい

「けんばい」と聞いて、ほとんどの人が思い浮かべるのは、自動券売機だと思う。
駅の切符や、食堂の食券を売ってる機械の事だ。
ところが設計屋さんたちが言う「けんばい」とは、「建築士賠償責任保障制度」の事を指す。つまり設計屋さんたちが入る保険の事だ。
例えば設計屋さんが図面を書く際に、当然書かれていて、あるいは考慮されているべき事柄が、何らかのミスで書かれていなかったとしよう。そしてその図面をもとに、建設会社さんが「おかしいな?」と思いながらも、その通りに造ってしまったとする。建物完成後に、その事が原因で何らかの不都合が生じたとしたら、当然、建築主は直して欲しいと言うよね。でも建設会社は、「図面の通りにやりましたから、うちに責任は無いです」と言う筈。そりゃそうだ!だって図面のミスが原因で生じたトラブルなら、設計屋さんがナントカするのが筋ってもの。でも設計屋さんは、そんなお金を持ってない。
トホホ・・・・施主は泣き寝入りかぁ・・・・。と言うのが、一昔前の展開だった。
ところがそんな時に必要な補修費用や工事費を、保証してくれるのが、この保険と言う訳。車の任意保険に似ているが、この保険を使う設計屋さんは、圧倒的に少ない筈。たぶん大抵の人は、一生に一度も使わないと思う。
うちも何年か前から毎年(年契約の保険だから)入っているのだが、私の入っている保険会社が、今年から保険料が3倍に跳ね上がったのだ!別の建築団体が仕切っている保険など、ナント10倍近く上がっている。これは一連の不祥事事件の余波を受けている影響らしいのだが、そんな不届き者のために、何で真っ当に仕事しているものが高い保険料を払わねばならんの?????
ちょうど今月が更新月だったので、そのまま継続加入しようかと思ったのだが、念のために調べたら安い保険料の所を見つけた!保障の内容は変わらないので、今年からそこに乗り換えることにした。
念のために言っておくと、「建賠」に入っている事務所=それを使う可能性がある事務所?と、言うことではない。万が一、万万が一の時に、建築主に迷惑を掛けまいと配慮している事務所だと認識して欲しい。それが証拠に知り合いの事務所では、設計監理契約の際に、この保険のコピーを添付して、安心して貰っている事務所もあるぐらい。
面白いのはこの保険、建築家協会・設計事務所協会・建築士会と言った、いくつかの建築士の関連団体が仕切っていると言う事。なんでだろう?普通の損保会社で自動車保険みたいに扱えば、もっと安価で、様々なオプションとかも組めるだろうに。例えば「木造住宅2階建てまで専門賠償保険」とか「怪しいデベロッパー・マンション専門の設計事務所賠償保険」とか・・・・割り増し付きで(笑)
ま、保険と言うのは何にしろ、使わないのが一番良いんだけどね。
それにしても今月は散財するなぁ・・・・ふぅ~

コメント

  1. アーキ より:

    はじめまして。検索してこのポストみつけました。私も同じ状況で、急に3倍に跳ね上がったのでどこか他にいいところないかなと探しているところなのですが、そののりかえられた建賠、どちらですか? 教えていただければ幸いです。

  2. 探偵長 より:

    アーキさん、はじめまして。「建賠」の保険料が、何の説明も無く、急に高くなるのですから、本当にビックリしますよね。私が乗り換えたのは、「社団法人全日本建築士会 会員専用団体契約『建築士賠償保障制度』」と言うものです。その団体に加入する事が前提で、多少ですが年会費も掛かります。ですが保険料の計算は今までと同じなので、3倍などと言う高額にはならない・・・と、判断しました。
    保険会社の連絡先は手元に持っていますが、それをここで公開して良いのかが迷うところなので、取りあえず団体のサイトをご紹介しますから、問い合わせしてみて下さい。
       ↓
    http://www.smile-net.or.jp/index.htm
    もし、お分かりにならなければ、メールでも頂戴できれば、詳細をお知らせする事も可能ですので。