「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
J. K. ローリング
ハリーポッターと出会ったのは今から10年ほど前に、市内の公園で開かれていたフリーマケットだった。市内の古書店組合が開いていたブースが、紙袋に本を詰め放題で100円と言うので、漫画やら小説やらを詰め込んだ中に、表紙の無い本が一冊混ざっていた。それが発売されて間もなかった『ハリーポッターと賢者の石』との出会いだった。
あれから10年、『ハリーポッター・シリーズ』が、ついに因縁の対決に幕を下ろす日が来た。あの時に出会った幼く弱々しい少年と、その仲間たちが、こうも凛々しく成長したのかと感激した最終章。多くの盟友が傷付き、死んでしまうこの第七巻(最終巻)は、その幕開けから悲惨なものだった。鳥をペットにしている者にとって「そこから始まるのか!」と、ショックを受ける展開は、上下巻でおよそ千頁と言うボリュームを一気に読ませてしまう。
六巻を読んだ人には、目次から想像させるものもあるが、その予想を大きく裏切る展開に、驚きつつも魅了され涙する。個人的に彼Aの死は悲しかったし、彼Bの成長した活躍には驚かされる。そして何よりも彼Cの精神力と愛情の深さに、心打たれるものがあった。(ちなみに全員別人のことを指す。そして未読の方に対する配慮として名前は書かない)
物語を読み終えた満足感は、ある種の達成感と、終わってしまったと言う寂しさを併せ持っていた。今はただ、「燃え尽きたぜぇ・・・」と、ジョーのように呟くだけ。