『DIVE !! 下』 読了-28

DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫)
DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫)
森 絵都
たった1.4秒の時間の中に、費やしてきた努力の日々と、未来への無限の可能性を掛け、少年たちはダイブする。
読む事が遅い私が、374頁のボリュームを、アッと言う間に読んでしまった。たぶん「1.4秒」と言う競技時間のスピード感が、行間にも隠されていたのだろう。それにしても登場人物の一人一人が、なんとも言えず魅力的だ。平凡な知季(ともき)14歳。野生児の魅力を持つ飛沫(しぶき)17歳。クールなエリートの要一(よういち)17歳。この3人の脇にも大勢のライバルが、コーチが、家族が、恋人が登場するのだが、居ても居なくてもいい人物が誰もいない!こう言うの珍しい。
上巻では、飛沫の立場に立って読んでいたが、下巻では要一の視線で読んでいた。そして最後の試合の場面では、要一の父の気持ちになっていた。だから泣ける泣ける(笑)
そして彼らの会話で、笑える笑える。
目標をシッカリと持って、自分を信じて努力する、頑張ると言う事が、こんなにもカッコイイと言うことが、普段着の言葉で書かれている。「夏休みの課題図書」には、こう言う本を読ませないとね。
スポ根物大好きの私には、文句なしに100点でした! お見事でした。