麻痺する感覚

最近、嫌な事件が多い。その度にメディアは、犯人の人と成りを繰り返し報道する。そこで気になるのが、犯人が人材派遣会社に登録していた時の呼び名だ。つまり、「犯人は派遣社員の○○、□□歳!」と言うのだが、「派遣社員」て、職業じゃないでしょ? 同じ意味で言えば「パート従業員の△△は!」という言い方もするけど、それって雇用の形態で職業ではない。もしメディアが職業を説明しようとしているのなら、もっと違う言い方があると思うのだが・・・。
すごーーーく捻くれた見方をすれば、派遣社員とかパートを下に見てないか?と、感じてしまう訳。
それから最近は、「オバカキャラ」って呼ばれる人気者が居るが、あれって良いの? 勿論、誰も悪意を持って馬鹿だと罵っているのではない事ぐらい、重々承知しているが、それでも「オバカキャラ」として、ちびっ子にまで呼ばれている姿は、なんか寂しい。 少なくても私が親なら、少し複雑な心境である事は間違いない。
こう言う些細な事が日常化し、誰もが違和感を感じなくなると、いろんな所で次々と新しい「深い意味の無い差別、ジョークだから分かってよ」的な言い方が生まれる。そして他者に対する配慮や遠慮が無くなり、「ジョークだから何を言っても許される」「ネタだから絡むなよ」的な言い方・話し方を「笑い」や「ウケる」と言うことだけで、何の遠慮も無く言うことが普通になる。そして痛みに対する感覚が鈍くなり、やがて慣れてしまう。
その先にあるのは、自己のエゴのみを究極的に前面に押し出してくる輩の誕生。それが昨今流行り?の「MONSTER」と呼ばれる人たちなのような気がする。身近な所にまでゾロゾロと湧いて出てくるMONSTEと呼ばれる人たちとは、麻痺する感覚の先に生まれた生き物なのではないかと感じてしまう、今日この頃なのです。