0 (zero)

数字の「0」に、何を掛けても答えは「0」にしかならない。
薬品で汚染され、食べると危険な「汚染米」を、問題の無い「健全な米」の中に、ほんの一握り混ぜる。すると全ての米が「危険米」となる。その時には、もう本当の「危険米」を見付け出す事は不可能となる。
これを数式で表せば 「0×α=0」あるいは、「●×○=●」 と表す事ができる。この「0」の数字に該当するのは組織全体の場合もあれば、組織の中の個である場合もある。だが間違いなく言える事は、その「0」が存在するのは食品業界だけでなく、建設業界も、そして政治の世界にも居ると言う事。
更に言えば「0」は自然発生的に生まれる。だから一つの「0」が発見された時に直ぐに排除されても、既に生み出されてしまった多くの「0」は、あちこちに拡散し、もう二度と見付ける事は出来ない。なぜなら、それこそが「0」の特質だから。
ならば人はどう対処するのか? それは私には分からない。
ただ一つ言えるのは「0」を消す物とは、もう一つの「0」だけなのかもしれないと言う事。そして自分の中に「0」を生み出させない、自分を持ち続けることが大切なのかもしれない。