永遠の放課後 (集英社文庫)
三田 誠広
中学三年生の北沢良一は、人生の目的も生きる意味も、そして日々の楽しみも感じられない毎日を過ごしていた。鞄の中には11歳で自殺した少年の手記を持ち歩き、この時期特有の危うさを隠し持っていた。そんな北沢に声を掛けてきたのは、野球部のエースで将来を有望視されている徹也。「明日の俺の試合をビデオで撮れ。それには人の命が懸かっている」と言われる。撮影したビデオは、徹也の幼馴染で入院中の少女・直美に見せるためのものだった―。
思春期に揺れる心の悩みは、大人が想像するよりも深く重い。だけど15歳の心もまた、大人が思っているよりも強く逞しい。こう言う内容の作品を、単純に好き嫌いと分けてしまう事は良くないのかもしれないが、個人的には好きな作品。少年の心の強さに感動しますよ。