『つきのふね』 読了-39

つきのふね (角川文庫)
つきのふね (角川文庫)
不良グループに万引きを強制され、ふざけ半分で従う女子中学生の梨利とさくら。親友だった二人だが、万引きの現場を抑えられたとき、互いに相手を裏切り、それが元で二人は距離を置くことになる。さくらはグループを抜けるが、梨利はどんどんと悪い方へ引き連られていく。孤独感に苛まれるさくらの心の支えは、万引きで捕まったときに逃がしてくれた青年・智。だが智は心の病気から精神を病んでいき、静かに壊れていく。親友だった筈の梨利とさくら、そしていつもその二人の傍に居た、男子中学生の勝田。心のバランスが崩れ始めた智。それぞれの孤独が頂点に達するとき、巷を騒がせていた放火事件が四人に襲い掛かる―
この本スゲー!
『DIVE』が、私の琴線をポロロンと掻き鳴らしたのだとしたら、この『つきのふね』は、ジャンガジャンガ!引っ掻き回したと言う感じがした。なんだこの展開!なんだこの最後の手紙!ちょーーーーーービックリした!
起承転結の起承転までは、水面に小さな波紋が静かに広がるように進んでいた話が、結の1で、台風で大波がザバーン!って感じで押し寄せ、結の2の最後の手紙で、また静かに、だけどゴールデンハンマーみたいな物で、ガツーン!!!と殴られたような感じだった。
(感想が擬音ばかりと言うのも、小学生波だな・・・←上手いでしょ/笑)
人様の琴線までは知らないが、自分の琴線が、どんな物に反応するかぐらいは知っている。森さんの作品の中では、これが一番でした。(と言っても、まだ大して読んでいませんけどね) 
いい年したオジサンですが、最後の一行で泣きました。そんな作品です。
他の作品も是非、読んでみたいと思います。