『家守』 読了-42

家守 (光文社文庫)
家守 (光文社文庫)
歌野さんが「家」をテーマに書かれた中編五作。
「人形師の家で」は、人里離れた山の中の屋敷が舞台。石膏で女性像を作り続ける男の家に、肝試しに遊びに来た3人の子供の内の一人が、忽然と姿を消えてしまう。
表題作の「家守」は、ごく普通の民家で、一人寝ていた主婦が窒息死すると言う話。建物は全て内側から鍵が掛けられた密室。だが第一発見者である夫の行動と供述に、不審な点を感じた刑事が捜査を進めると、他殺の疑いが出てくる。その他にも「埴生の宿」「鄙」「転居先不明」の三作が収録されています。
家が重要なテーマになっている点と密室物が多かったので、結構楽しかったのですが、表題作の「家守」のトリックは・・・・・・ありなのかなぁ~? たいていのトリックには文句は付けませんし、異論や意義も唱えませんが、このトリックだけは解き明かした刑事達が「なるほど!分かったぞ!」と言った瞬間に、思わず「ええぇ~~~!ホントにそれで納得したの~~~~~~~?」と、文句言いたかった(笑) このトリックが成立するとしたら、とてもじゃないけど怖くて、おちおち家でなんて寝てられませんから!
とかなんとか言いながら、こう言うトリック、結構嫌いでは無かったりして(笑)