言葉で心根を知る

連休明けの昨日は25日。25日といえば、給料日だった会社も多い筈。そんな事も重なってだと思うが、銀行が予想以上に混雑していた。
2台あるATMも混雑していて、待っている人が一列に並んでいた。そう言えば今は、何処も一列並びが定着してきましたよね~。駅や映画館と言った場所のトイレなどは、ほとんど何処も一列並び。良い事だと思います。おっと、話が反れました。


私の前に並んでいたのは、年の頃なら70歳代の背の小さな可愛らしいおばあちゃん。2台あるATMの左側が開いたのですが、おばあちゃんは右しか見ていない様子で、左側に行かない。
「左側が空きましたよ」
声を掛けると、小さな声で礼を言いながら左側へ移動し、さっそく機械を操作し始める。直ぐに右のATMも空いたので、私とおばあちゃんは並んで機械を操作する事になった。ところがおばあちゃん、操作が上手くいかなかったのか、「あぁ・・・」と溜息に似た声を漏らすと、誰かに助け求めるようにATMから離れ、店の中に行ってしまった。
私達の後ろに並んでいた女性。年の頃なら50代後半、小太りプラス、ベリーショートの髪型、めがね着用の女性が、空いたATMの前に立つと、そこに居た全員に聞こえるほど大きな音で「チィ」と、舌打ちをし、おもむろに先程までそこに居たおばあちゃんに向かって、こう言ったのだ。
「ちょっとアンタ!この機会、リセットしなさいよ!」
瞬間、その場の空気が、物凄く不快な物に変わったのを感じたのは、私だけでは無かった筈。店内に居たおばあちゃんは慌てて戻ってきて、何度も「すいませんすいません」と謝りながら、画面を初期画面にリセットした。
とっても嫌な光景に出会ってしまい、心がざらざらした気分になった。見ず知らずの人に対しても、目上の人に対しても最低限の礼と言うものがある。それを「アンタ呼ばわり」で怒鳴りつける【いい年したオバちゃん】。自分にも親は居るだろうし、ひょっとしたら子も孫も居るかもしれないと思うのだが、その程度の礼儀も持ち合わせないとは、一体どんな躾を受けて、この年になったのだろうと想像してしまった。
「言葉が乱暴でも、心がこもっていれば良い」と言う話も聞くが、こう言う光景を目撃してしまうと、そうとばかりも思えない。下卑で粗野な言葉遣いをする人は、やっぱり心が荒れているような気がする。私自身、普段けして綺麗な言葉を使っているとは言えないが、心の中までもが「下卑で粗野」にならぬように気を付けたいと、人の振りを見て思ったのです。
そう言えば何処ぞの総理大臣は、野党第一党党首の事を「あいつは信用できねぇ」と公言していたし、それを受けた野党の党首も総理に対して「チンピラの戯言」呼ばわりしていた。「目糞鼻糞」だし「五十歩百歩」だと言われても仕方ない。
言葉と心根の関係を、あらためて考えてしまった出来事でした。