神の家の災い (創元推理文庫 M ト 7-3)
十四世紀のイングランドを舞台にした本格ミステリ。
主人公はドミニコ会の托鉢修道士アセルスタン。その良き相棒は、心からの尊敬を寄せる国王勅任の検視官クランストン卿。謎は全部で三つ。一つ目はアセルスタンが修練期を過ごし、そして追放された修道院で起きた不可解な連続殺人。二つ目は、現在、アセルスタンが司祭を務めている教会の床下から出てきた白骨死体の謎。さらには、その白骨死体が人々の病気を直すと言う、奇跡の治癒能力があると話題になってしまうこと。そして三つ目は、アセルスタン卿に提示された<緋色の部屋>の謎。
この<緋色の部屋>に入った四人の人物が、なぜか次々に死んでいく。その原因を二週間以内に解き明かせと言う、賭けに乗せられてしまう。この複雑な三つの謎に、二人が協力しながら立ち向かう。
本書はアセルスタン修道士シリーズの三作目だそうですが、残念ながら先の二冊は未読です。それでも主人公たちの関係や、他の登場人物たちのキャラクターには、直ぐに馴染むことが出来ました。ただし最初は名前が覚えにくい! 十四世紀と言う時代設定や、馴染みの無い修道士、そしてイングランドと言う土地と、カタカナ名前が覚えにくいのなんの(笑) たぶん読みなれていないせいだと思うので、今年は外国作品も読まねばと反省。
ちなみに「<緋色の部屋>に寝泊りした人は必ず死ぬ!」と書いてあるのを見て、『赤後家の殺人』を思い出した人は私です、はい。そして『赤後家』同様、大変楽しゅうございました。今年の一冊目としては、まずまずの滑り出しです。
ちなみに今年の仕事始めは、明日の6日(火)からです。