ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫) (Mき3-6))
出版社の招待で来日したエラリー・クイーン氏は、東京で発生していた連続児童殺傷事件に興味を持つ。偶然からクイーン氏の案内役を務めることになったアルバイト書店員・小町奈々子は、毎週土曜日の夕方に、50円硬貨20枚を千円札に両替しにくる謎の男の行動を、不可解に感じていてた。小町の案内で訪れた上野動物園で、クイーン氏を襲う事件が起きる。
第6回本格ミステリ大賞〈評論・研究部門〉を受賞した、北村薫の華麗なるパスティーシュ。
クイーン作品を夢中になって読んでいたのは、今から30年ほど前のこと。だから本作を読んだ最初の感想は、なんだかとても懐かしかったと言うこと。それもただ懐かしかったと言うだけでなく、連続児童殺人事件の謎と、50円硬貨20枚を千円札に両替する男の謎の両方が、見事に解き明かされている点がお見事だったから。本格って、こういう感じだー!と言う感激の気持ちで読み終えました。やっぱり本格は面白い。
コメント
こんにちは。
見事ですよね、このパスティーシュ。
単行本で読んだんですが、本当はこれは本物のエラリー・クイーンが書いた遺作かと思った記憶があります。
それと、中にちらりと有栖川先生らしい中学生が出てくるところがファンにはたまりませんでしたよ(笑)。
だからこそ、文庫化されたら有栖川先生に解説書いていただきたかったなあ、というのが正直なところです。
(決して、法月先生が…なわけじゃないんですが…)
みけねこさん、こんにちは。
いやいやいや、実に<礼儀正しい>と言うか、<折り目正しい>と言う印象を受けました。
それはまるで伝統と格式を重んじる、良い意味での<往年の名作>と言う感じで、とっても好きな作品でした。
居ましたね!有栖川さんを彷彿させる少年が(笑) 私も思わず、笑ってしまいました。
> だからこそ、文庫化されたら有栖川先生に解説書いていただきたかったなあ
↑
ここは、あえてスルーしてと(笑)
その代わり、帯は文庫も有栖川さんでしたね。