「現場に泥棒が入りました!」と、連絡を受けたのは、朝のコーヒーを飲み終えた時だった。
現場は玄関扉も窓も設置され、それら全ての箇所に鍵が掛けられていたのに、窓ガラスを割られ、侵入されてしまった。
外には、まだ足場が有るので、そこをよじ登り、2階の窓から入ったらしい。
状況からみて、ドライバーのような鋭利な物で、クレセント(鍵)の所を割り、鍵を押すように回して室内に侵入したのだろう。
窓はペアガラスだが防犯ガラスではない。だから金槌などで、ドライバーの柄の所を叩き、割ったと思われる。傍には線路があり、電車が通っていたので、その音に併せて犯行を行えば、近所の家には気付かれなかったのかもしれない。
盗まれたのは大工さんたちの工具、それも新しい物ばかりを狙って盗まれていた。
なかには工具本体と、それを収納するケースが別の場所に置いてあったにも関わらず、わざわざセットにして持ち去られた物もある。自分で使うために盗んだと言うよりは、誰かに転売する目的で盗んだのだろう。被害総額は20万円以上。
愛着のある大切な工具を盗まれた大工さんたちは、ショックを隠しきれない。
工事中の室内が荒らされなかった事だけが、不幸中の幸いだ。
それにしても手口が乱暴だ。
大工さんの機械工具、それも新しい物ばかりを狙う手口から考えると、泥棒は建築に素人ではないと思えるのに、工事中の建物を、こんなふうに壊すなんて、あまりにも酷い。物凄く、腹が立つ。
そして、何よりも悲しい。
施主だって、嫌だと思う。いや、それどころか「一度有る事は二度有るのか?」なんて、余計な気を使うと言うもの。現に、防犯カメラやセンサーライトの設置なんて話しも出ている。
人を呪うと穴が二つになるから、グタグダと恨み事を言う気は無いが、これが「不景気」と言う事から生まれた事件だとすれば、これから先の現場管理に対して、今以上に気を使わなければならないのもしれない。
長いこと、この仕事をしているけれど、自分の設計した現場に泥棒が入ったと言う経験は初めてなので、なんか凹む・・・。
コメント
こんばんは。
なんとショックなことでしょう…。
探偵長様はじめ、施主様、大工さん達、この家に関わる全ての人の心を踏みにじる行為です。ただ泥棒というだけではなくて、こういうことをする人間は多分、自分の家も友達も大事にはしていないんでしょうね。
大工さん達のお気持ちを思うと言葉もありませんが、居直り強盗みたいに生命の危険がなかったことだけは良かったです。
探偵長様も、こんなことに負けないで、ケチな泥棒なんて見返すくらい、バリバリとお仕事に邁進なさってくださいね!
おはようございます。
泥棒はショックな事ですが、考えてみれば、人が住んでいなくて良かったのかもしれないと思い直しました。
それに今回の事で、防犯レベルを上げようとも考えています。トラブルから学びたいと思います。
それにしてもこれからは、益々この手の事件が増えるのかもしれませんね。
景気の悪さが治安の悪さに繋がるとは、よく聞く話しですが、こうして目の当たりにすると、よく分かります。
これから夏に向かい、窓を開け放しておく機会が増える季節です。
どうぞ、みけねこさんもご用心下さいませ。
う、うわぁ…盗人の種は尽きまじとは言いますが、
建築中の家から何を盗むのかな? と思ったらそういうことですか。
でも初めて聞きました。
住んでからじゃなくて良かった、火事じゃなくて良かった、と何とか気持ちを切り替えるしかなさそうですね…。
maki-mari さん、こんにちは。
いやいやいや、「工事現場泥棒」は、意外と多いらしいです。
少し前だと、電線や鉄の資材が盗まれたそうですが、今はそれらの価格も下落したので
工具や資材と言った物が盗まれるそうです。
ったく~、工事途中の建物に、なんて事しやがんだ!(怒)
怒り心頭中です。
実はその現場に、持ち主不明のデジカメが、落ちていたんです。
みんなで顔をつき合わせ、話していました。
「これが犯人のデジカメだったら笑えるな」
なんて感じで笑っていたんですが、でも別の一人が言ったんです。
「乳飲み子を抱えた犯人の奥さんが写っていたら、切ないよな・・・」
笑うに笑えない話でした。デジカメは他の職人さんの物でした。チャンチャン!