『赤い館の秘密』 読了-33

赤い館と呼ばれている屋敷の主マーク・アブレットの元に、長いこと消息不明になっていた札付きの兄ロバートから、「明日帰る」と言う手紙が、突然届く。翌日、屋敷に帰ってきた兄は、通された部屋の中で弟のマークと口論しているのを女中に聞かれた直後に、銃で撃たれて死んでしまう。部屋の中に居る筈の犯人の姿も、凶器と思われる銃も部屋からは消えていた。唯一、続き間の窓が一箇所開いていたが、その外には人が歩いた痕跡が無い。そう、部屋は完全に密室だったのだ。
偶然屋敷を訪ね、事件の第一発見者となったアントニー・ギリンガムは、友人のベヴリーにワトスン役を頼み、事件の真相解明に乗り出す。
有名過ぎる作品の再読・・・再々読か、もっと(笑)
最近は新しい作品ばかり読んでいるのだが、やはり名作と呼ばれるような古典は面白い。密室トリックも然ることながら、犯人が湖に捨てた証拠品の場所を特定する方法などは、測量の基本的概念が分かっていなければ思いつかない方法で、これ一つだけでも大したもんです。だってこの作品、1921年(大正10年)の作品で、日本で言えば、まだ乱歩だってデビューしていない時代の作品なのですからね。『熊のプーさん』も、たしかに名作ですが、もう少しミルンのミステリが読みたかった。
やっぱり面白いものは、何時読んでも面白いのです。