池袋のトラブルシューター・真島誠の7作目。
「振り込め詐欺」で人を騙す側の男が、マコトに助けを求めてくる「要町テレフォンマン」をはじめ、四作が収録されている。
相変わらずこのシリーズは視点が面白い。例えば「振り込め詐欺」をテーマにしたら、ふつうは被害者に注目するのが一般的になのに、ここでは加害者にスポットを当てている。しかもこの加害者の男、電話越しにならどんな人物にも、どんな役にも成りきれるが、リアルな人間とはまともに話すことさえままならない。そんな男がなぜ振り込め詐欺を?と悩んでしまうのだが、電話越しに話す仕事は天職だと考えている。そんな人、近くに居そうな気がする。
他に、「詐欺師のヴィーナス」「バーン・ダウン・ザ・ハウス」、そして表題作の「Gボーイズ冬戦争」が収録されている。Gボーイズのキングこと崇の強さと冷酷さが、久しぶりに見れて嬉しい一作。