初めて自分の小遣いで買ったレコード、それが「帰って来たヨッパライ」だった。たぶん小学校2年生の頃だと思う。当時家にはサイドボードがあって、TVの横に並べて置かれていた。そのサイドボードの上に卓上型のポータブルプレーヤーが乗っかっていて、祖母が洋画のサントラ盤を聴いていた。
「男と女」とか「パリのめぐり逢い」とか「風と共に去りぬのタラのテーマ」なんて音楽を、一緒になって聴いていた。他にもマカロニ・ウェスタンの音楽はよく聴いていたなぁ~。「荒野の決闘」「真昼の決闘」「荒野の一ドル銀貨」とか「南から来た用心棒」等など。
完全に家は、洋物系の音楽ばかりが流れていたのに、そこに突然現れたのが「帰って来たヨッパライ」だったのだ。今思うと、何でアレを買ったんだろうなぁ・・・当時の自分は。
曲が面白かったのは間違い無いが、たぶんそれ以外の理由として、自分でも「自分の好きな音楽」を聴いてみたかったのだろうと思う。つまり自我。音楽には自我があるからね。
加藤和彦さんの訃報に触れ、ふと思い出した話です。