住宅エコポイント制度の憂鬱


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鳩山内閣が揺れている。
いや正確に言えば、鳩山首相が小沢幹事長に揺さぶられていると言った方が良いのかもしれない。 
ガソリンの暫定税率は現状のまま、子供手当ての支給に親の所得制限は設けず、高校の実質無償化にも親の所得制限は設けないらしい。あれもこれもが安くなる事はありがたいが、さてその財源は何処から調達してくるのかがサッパリ見えない。大丈夫だろうか、来年の日本は?そして持つのだろうか、鳩山内閣は?遣ろうとしている事が、凡人の私にはイマイチ分からないのですよ・・・・・・。
分からないと言えば、「住宅版エコポイント制度」に関しても、サッパリ分からない。
<エコ>のキーワードが使われているのだから、当然、地球に優しい建物を造る事が良いことだと推奨されるのかと思いきや、実はそうでもないようだ。


ちなみに、この時点で「住宅エコポイント」の恩恵を受ける施主の皆さんは、その仕組みや対象の仕様、エコポイントとして貰える額などを熟知している人がどれぐらい居るだろう?
その事がまずダメでしょう・・・・。
なんでも22年1月1日から12月31日までの間に着工した建物が、その対象となる。(補足情報:今月の8日以降に着工した建物も対象となるらしいです) つまり今日の時点で図面を書いていて、年明け早々に確認を提出して、即着工!・・・なんて考えているお家は、住宅エコポイントの対象になるそうです。
その時に肝心なのは、「どんな仕様ならエコポイントがもらえるのか?」と言う事。だってチョット仕様を変えれば、その対象になるのなら、検討ぐらいはしてみたいですからね。
例えば「この壁の仕上げを、◇◇にしておけば・・・」とか
「この断熱材の厚みを、あと△△mm、厚くしておけば・・・」なんて事で対象になったり、外れたりする訳です。
その時に、あくまでもキーワードが<エコ>ならば、例えば国内の木を使った家や、土を塗った壁や無垢の床板を使うと誉められるのかと言うと、実はそんな事は全く無い。昔の家に使われていたような木製の窓を使うことで、エコに貢献しているとポイントを貰えるわけでは無いのです。なんか変じゃないですか?
<エコ>と言う事場の意味を、一軒の家の熱効率だけで考え、それを建てる事で完結したかのように考えているように思えます。
でも建築ってそうじゃない。建てる時には、木を切り、山を崩し、石を切り出すといった具合に、自然を壊すことから始まるのだから、そこから見据えた<エコ>であるべきだと思う。そして建って居る時にもたらす隣近所から始まるコミュニティの捉え方や、風の通りや、光の干渉や、音や緑を考えなければならない。熱負荷に対する考慮は大切だけど、多くの大切な要素の一つではないのだろうか。
そして建った建物は、いつかは朽ちる。
その時に、どんな朽ち方をするのか?まで考えても良いんじゃないのかなぁ~と思う。
誰が考えたのかは知らないが、<エコ>が<エゴ>にならないで居てくれることを祈ります。