『ガサガサ・ガール』 読了-10


ニューヨークのど真ん中に作られていた大きな日本庭園が、何者かにメチャメチャに荒らされてしまっう。しかも庭園内に設けられた池の底には、大富豪の社長の死体が沈んでいたのだった。
現場に落ちていた「くちなしの花」は、何かのメッセージなのか、それとも犯人の罠なのか?
2007年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ賞)受賞作。

ムムム、感想の書きにくい作品でした。
また、書名の『ガサガサ・ガール』の【ガサガサ】の意味も分かりません。
強いて言うなら、「落ち着きの無い」とか「騒々しい」と言った感じの雰囲気をイメージさせているのでしょうが、そこまで言うほど「ガサガサ」しているようには感じません。・・・・・・っていうか、だいたいガサガサしているガールは、主人公ですらありません!探偵として活躍するのは、庭師である彼女のおじいちゃんなのです。
広島で原爆に被爆した齢七十歳になる無口な日系人庭師のマス・アライが、娘のマリに呼ばれてロスからやってきます。そしてひょんなことから事件に巻き込まれていくのですが、ときどき出てくるトンチンカンな日本語にも違和感があるし、少し読み難ささえ感じました。
そこが面白いと言えば面白いし、アメリカ人が持つ日本人へのイメージみたいなものを感じることは出来ましたが、その面白さとミステリの持つ面白さは別物の筈。MWAの受賞作と言うことで期待値を上げすぎたところもありますが、少し残念な読後感でした。でも機会があれば、続編にあたる『スネークスキン三味線』は、読んでみようと思います。