65年と北村西望
長崎が65回目の「原爆の日」を迎えます。
原爆の爆心地点を中心に設けられているのが平和記念公園で、その中に有名な『平和記念像』が設置されています。右手は頭上で爆発した原爆を指差し、左手は平和を。そしてその顔は犠牲者の冥福を祈ると言われている像は、彫刻家・北村西望氏の作品です。
その像の作者が北村氏だと知ったのは、大人になってからでした。
しかも初めに知ったのは、『平和記念像』ではなく、『喜ぶ少女』の像でした。
偶然立ち寄った美術館で見たその少女像の、あまりの愛くるしさに、暫く見とれてしまったのです。
それが北村氏の作品を意識した最初で、後に『平和記念像』も北村氏の作品だと知るに至ったのですから、知らないと言うのは恐ろしいことです。
でも、きっかけはなんでも良いのです。
何かに興味を持ち、自分から動いて見聞きしたことは忘れません。
それが勉強であり、知識になると思います。
長崎では65回目の「原爆の日」を迎えていますが、本当は「長崎では」ではなく、日本の中での悲劇の一日であり、「日本の長崎市に原爆が投下されたあの日から65年目を迎える」のだと、意識したいと思います。そうじゃないと、記憶はいつか薄れていくものだと思うから。
天工舎一級建築事務所
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