緩やかに仕切る


「大黒柱のある家」の現場に行ったら、仕事帰りのクライアントに現場でバッタリ!
 思わず「やぁやぁ!」みたいな感じで暫し雑談。
階段室を囲むように横格子が組まれたのを見上げ、二人で悦に入っておりました。
「電球の色と混ざり合って良いですな、あはは」
「そうですな、おほほ」
「柔らかくてイイ感じですね、うしし」
「まったくですなぁ、いひひ」・・・みたいな感じで。
でも本当に電球の色と格子の色が混ざり合い、ナントモ言えず艶っぽい雰囲気を醸し出しています。
大黒柱のある家 格子


これは小さな空間に、少しでも抜けを感じたいと考えた設え。
風を抜き、光を抜き、家族の気配を抜き、仕事の疲れから、ホッと息を抜くための仕切り。
大黒柱のある家 格子.2
時期が来たら、和紙を貼り、柔らかく閉じることも想定しています。
ときどき小さな家に小さな部屋を幾つも設けた、細切れの家を見掛けることがありますが、個人的には好きじゃありません。狭くても良いから、とにかく個室を確保する必要があってのことかもしれませんが、それならばそれなりに遣り様と言うものがある筈。柔軟な思考と、ほんの少しの工夫で、凝り固まった常識から少しだけ外に出て、快適な空間を確保することも出来ると思います。ただ単純にブツブツ切り刻んで、「はい、出来上がり」と言うのでは、少し工夫が足りないように思います。
狭いながらも楽しい我が家! 家は本当は楽しい場所なのですから。