大黒柱のある家は、朝から塗装の打ち合わせ。
仕事がお休みのクライアントも交えて、枠や床、外部のデッキの色などを確認しました。
枠とは、窓枠・扉などの枠を指し、床も無垢のフローリングなので塗装を施します。
既製品ならカタログの中から選んで、それでお終いなのですが、設計者が造る家は、枠に使用する木材の材種から指定して、その材に家のイメージに合う色を塗る場合が多いと思います。
この家の枠材は栂が使われています。適度に木目が綺麗で、価格も安いから。
ただし木目を見せる塗装を施そうと考えた場合、塗料の吸い込み方が違うので、若干ムラになるのが欠点。だから綺麗に見せるためには、薄めの色の方が良いと思っているのは、私の個人的意見。
で、そんなこんな中、「あの色が良い」とか「もう少しだけ濃く」とか言いながら、実際の材料の木っ端に試し塗りして色を決めます。 今回の場合、ある程度のイメージが出来ていたので、割とすんなり決まりしましたが、決まらないときは決まらないので、時間が無い時には御注意を。
色が決まり、早速塗装を!・・・の前に、塗装屋さんは養生をしなければなりません。
つまり塗料が他の場所に付かない様に、紙テープで塗装箇所の周囲をカバーするわけ。
写真は、巾木を塗るための養生をしている塗装屋さんの後姿。
座り方が、しなを作っているようで、何気に色っぽいか?(笑)
これから数日、現場は塗装屋さんの作業となります。
こっちは大工さんが、造り付けの食器戸棚の棚板を削っている所。
切った箇所が綺麗に見えるようにペーパーを掛けた後で、周囲に板と同じ材料のセロテープ状の物を貼り付けて化粧をします。
これも既製品の家具を買ってきて、ポンと据えただけならば発生しない仕事。
でも自分の背丈や持っている食器の量を踏まえ、家全体のイメージと合った食器戸棚を、お手軽価格で造る為の一つの工夫でもあります。
自分の家を造ってくれた職人さんの顔が見える家。
既製品の組み合わせだけでは、感じることの出来ない味と温もり。
それこそが「我が家の証」なのかもしれないと思うのです。