大雪の影響で、東北地方をはじめとした各地で、様々な被害が出ています。
屋根の雪下ろしの最中に足を滑らせて転落する事故や、積もっている雪が落ちてきて埋もれてしまうと言った事故まで起きているそうです。ところでこの雪、一体どれぐらいの重さだが御存知ですか?
雪質に拠って若干の違いはあるものの、およそ300kg/㎥~500kg/㎥もあるそうです。
例えば1フロア20坪の住宅があった場合、この住宅の屋根の面積は、およそ70㎡ぐらいの面積があります。先日、福井県で2m44cmの積雪があったと聞いたのですが、仮に1㎥あたりの重さを400kgと仮定すると、2.44mの積雪量だと976kg/㎥の重さになると言うことです。つまり約1トンと言うことですね。
これが70㎡の屋根に載ると考えると、総重量は70t。
車一台の重さが約1tですから、屋根の上に車が70台載った計算になります。
それでは家を造るときに、この雪の重さに対して、どう考えているのでしょうか?
特定行政庁が雪が多いと定めた地域においては、雪1cmの積雪量に対して、1㎡あたり20N(ニュートン)の荷重があると考えなさいと規定されています。
N(ニュートン)と言う単位は、正確に言えば重さを表す単位ではないのですが、まぁ超ザックリ言えば、1Nは約100g。(ただし良い子のみんなは、こう覚えてはいけません)
つまり積雪量1cmあたり、約2kgの重さはあると考えなさいということ。
と言うことは、10cmで20kg。
100cmなら200kgの重さだと考えなさいと言う事になります。
2.44mの積雪があった福井県では、県内全域に対して細かく積雪量を規定しています。
最高では3.75mの積雪に対しての、安全を確保しなさいと規定している地域もあるそうです。
その際の雪の重量は基準法で定めている1㎡あたり20Nよりも大きく、30Nの単位重量があるものとして考えなさいと規定されています。
とは言え、それでも長い間、屋根の上に車何十台分の重さもある雪を載せたままにしておくことは、たいへん危険です。だから雪かきをして、雪を下ろすのです。
ちなみにこの雪の荷重に対する配慮は、雪の降らない関東圏にはありません。
一定の荷重に対する配慮は成されていますが、豪雪地域のような強度は確保されていないので、万一関東で1mを超えるような大雪が降った場合には、大急ぎで雪かきをしないと危険なのです。
見ているだけならキレイな雪が、白い悪魔と呼ばれるのは、こんなところが所以なのでしょうね。
天工舎一級建築事務所
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