小田原市内に、築70年建つ民家を借りて、エステサロンを営業している店がある。
今までは建物の古さを気にしていなかったオーナーだったが、諸般の事情から最低限のリフォームをしたいと考えた。その予算、ザックリ30万円。
・・・・・・・難問。
・・・・・・・超難問。
・・・・・・・超超難問。
だいたい私の設計料も出ない状態(笑)
さて、どうする?
2台のベッドが置かれているのも畳の部屋。ベッドの向こうには床の間が見える。
ある意味では、これこそまさにジャパン・モダニズム! 外国の方にも喜ばれるに違いない。
いや、冗談抜きで、その室内は妙に懐かしく、妙に落ち着く。エステとは外面的なケアだけではなく、内面的なケアだって大切な筈なのだから、心が落ち着くことはとても重要。
ただ如何せん レトロ<古さ の図式になってしまう箇所があり、そこは直したいよね・・・・・・。
例えば、こんな障子。
桟にデザインが施されているわけじゃなく、折れて無いのだ。
いっそのこと「こんなデザインです!」と、言い切ってしまい開き直るという手も無くは無いのだが、思わず「ふふ」と笑ってしまうらしい。築70年と言うのは、そう言うことも含めての歴史の重さなのだ。
さて、相談されたは良いものの、正直少し途方にくれる。
出来ることは限られている。
そして遣りたいことにも欲がある。
まずは看板の製作(今は看板が無いのだ)。
これにはデザインを起こす作業と、製作する作業が伴う。
誰に助っ人を頼もうか・・・・・・・。
それから部屋は障子で仕切られているが、その桟はご覧の通りなので、障子の補修と建て付けの調整も必要。その数、合わせて16本。上の障子の写真の奥に、竹の絵が描かれた襖戸もある。これも張りなおしたい。
そして最後に玄関だ。
広くて良い玄関なのだが、モルタルで固められた床は大きくひび割れ、玄関扉を跨いで入る出入り口には何の演出も無い。
さて、これら一切合財を¥30万円ポッキリで工事してくれる方が居たら、私までメール下さい。
熱烈歓迎しますので。
予算ピッタシで納まった後に、「ただし設計デザイン料は含まず」と書かれている、某リフォーム番組を地で行く展開なのかもしれない・・・・・・。
続報を待て。
天工舎一級建築事務所
E-mail toshio0223@k-tantei.com
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