精神分析学者のベイジル・ウィリングは、有名な舞台女優に公演の初日に招かれた。だが彼女の出演する劇場の周辺では、不思議な事件が起きていた。劇場に程近い刃物研磨店に何者かが侵入するのだが、盗られた物は無く、ただ室内で飼われていたカナリアが、籠から解き放たれていただけだった。また主演女優の台本に、何者かが意味ありげな台詞に線を引き、非常階段の上から投げ落とした。芝居で使われるはずの外科用のメスが消え、幕の上がった舞台の上では、観客の見守る中、死体役の男が本当に殺されてしまうという事件が起きる。事件を解く鍵は、一匹の家蝿と一羽のカナリア。ヘレン・マクロイの1942年の作品――。
こう言う作品、明快で好きです。
衆人環視の中での殺人、身元不明の死体、限定される容疑者、関連無さそうに見える意味不明な出来事。それらを丹念に丁寧に解きほぐしては、結び直す。そして行動からではなく、心理から犯人に迫る論理の構築が変わっていて面白かった。
E-mail toshio0223@k-tantei.com
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コメント
こんばんは。いいですねぇ。読書。
1Q84以来、文芸書を読んでいないことに気づきました。
何か、探してみようか。。
応援ポチ!してゆきます☆
1Q84は、読んでいません。
私もたまには、違うジャンルを読んでみようかなぁ・・・。