試掘と試掘で発掘だー!


『九人と死で十人だ』・・・みたいな感じで書いたブログタイトルだが、別にHM卿は出で来ないし、船の話でもない。計画中の土地の話です。
地盤調査をしたら予想外に軟弱な地盤で、なんらかの地盤補強が必要と判断された。普通なら、補強すれば良いだけの話だが、生憎と計画地は、文化財が埋蔵されている可能性の高い区域内で、その地域の土地を工事などで深く掘る場合には、事前に試掘と呼ばれる文化財有無の調査を、行なう必要のある地域なのです。
例えば小田原城周辺などの場合、城の堀の跡が見付かることもあったり、もっと古い弥生時代の住居跡や土器などが見付かることもある。
住宅などを建てる場合、この試掘作業の費用は行政負担で行なわれるが、それ以外の建物用途の場合などは事業者負担となることもある。
つまり住宅を建てる場合、気になるのは費用の話ではなく時間。
試掘を行い、そこに文化財が埋まっていない事が確認されれば良いが、万が一、何かが見付かれば、そこから本格的な発掘調査を行わなければならない。これは発見された文化財の重要度にも拠るが、早くても2ヶ月はかかり、大規模な発掘調査となれば、どのぐらいの調査期間になるのかは見当も付かない。当然、その間、住宅の工事は出来ないし、誰もその間に発生した経費などの面倒は見てくれない。だから出来ることなら、試掘自体を、やりたくないのが人情だ。
でも私は遣る! と言うか、遣ることが義務だから。
ただ・・・・・・、隣の区画(勿論、ここも文化財の保護区域内)で家を建てている、某大手の住宅メーカーM社は、地盤補強のためにガンガン土地を掘り返していたが、この建物は試掘はしていないし、申請も提出されていない。
なぜそんなことが分かるのか? だってたった今、私が役所で確認してきたばかりだから(笑)
役所の担当者も、「この付近で地盤補強した住宅はありません。当然、試掘をした経緯もありませんね」と、台帳を見ながら丁寧に説明してくれたのだ。
某M社、指しても良いですか?
天工舎一級建築事務所
E-mail toshio0223@k-tantei.com 
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コメント

  1. iu-kikaku より:

    こんばんは。
    うーん・・M社さん、どうなってるんでしょーか!!
    謎です。 ポチ!してゆきます☆

  2. 安井俊夫 より:

    他所様には他所様の事情や都合や思惑があるので
    他人が、とやかく言うことでもありませんが
    ただ、保身からの勝手な屁理屈を捏ねる人が増え
    その結果「正直者が馬鹿を見る」ということになるのは
    なんともなんとも納得がいかないですけどね・・・。