TV時代の変革期へ


アナログ放送からデジタル放送への切り替えが、いよいよ明日に迫った。
思い返せば、力道山の試合も東京オリンピック開会式も、大阪万博の混雑振りだって映してくれたTVが、一つの節目を迎えるような気がして、なんだか少し寂しい気がしなくもない。(ちなみに私は力道山は流石に観ていない/笑)
国の調査によると、いまだ地デジ化されていない家庭が、10万所帯はあるだろうと言われているが、実際にはもっと多いと思っている。またTV音声をラジオで楽しまれていた方にとっては、その楽しみ方は今後二度と出来ない。なぜならラジオにデジタル波は受信できないから。勿論、カーナビのTVでも地デジへの対応を取っていないと映らないし、音声だって聴くことは出来ない。
そんな地デジ放送への切り替えは、明日の正午から。
つまりお昼になった瞬間に、未対応のTVはただの箱になってしまう。そんなことを知らない人は、ふいにTVが壊れてしまったと、きっと騒ぎ出すに違いない。
「これだけ告知しているのだから知らない人は居ない筈」などと考えている人は、あまいと思う。
TVで地デジ化と何度連呼しても、興味がない人には全く耳に入ってこない。情報とはすべからくそう言うもの。だからきっと明日の正午になって、ようやく騒ぎ出す人もいる筈。
TVが文化がどうかは分からないが、一昔前には、家電製品の三種の神器とまで言われた物であることを考えれば、明日が一つの大きな転換期であることは確かだろう。その意味においては、明日を境にTVを捨ててしまう選択だって有り得る。今日日、PCがあれば「TV」という特定製品を持っていなくても、なんら困ることは無いしね暇を持て余す時代でもないとも言える。ただしそれは選択することが出来る人だけの話だが。選択することの出来ない人にとって、明日の正午が辛い時間にならないことを祈りたい。
家を設計をする者にとって一つだけありがたいことは、TVを居間の中心に考えなくてもよくなること。
一昔前までは、寛ぐ場所や食べる場所から、TVを何処に置くかを悩んだ時期もある。たいていは部屋のコーナーだったりするのだが、もうそんなことに煩わされる必要はない。TVが薄く小さくなるから、何処へでも置けばよいし、掛ければよくなるから。もっともTVを中心とした居間という場所が、いつまでも快適だと考えている方も、少なくなって来ているとは思うのだが。
時代が多様化し、ますます「個」の時代になっていくのだとしたら、家における「居間」の有り方は、TVに頼っている時代ではない。家族とは個の集合体ではなく、全員で家族と言うコミュニティであるということを、今まで以上に大切にする時代に入ってきたのだと考えるべきです。それが大きな意味での「TV時代の変革期」と、言えるかもしれませんね。
天工舎一級建築事務所
E-mail toshio0223@k-tantei.com 
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コメント

  1. iu-kikaku より:

    こんばんは。
    なるほどなぁと、頷きながら読ませて頂きました。
    明日の正午、どんな光景が繰り広げられるのか?気になりますね。
    ポチ!してゆきます☆

  2. 安井俊夫 より:

    こんにちは。
    アナログ放送の終了時、民法各局ではカウントダウンをしていました。
    なんだか、「ゆく年くる年」みたいでした(笑)
    今日は既に、砂嵐の画面だそうですね。
    うちのTVのリモコンには「アナログ」のボタンがありますが、もう使うことが無いんですねぇ・・・。