『死が二人をわかつまで』 ジョン・ディクスン・カー著 読了


久しぶりに、カーを読んだ。
やっぱり、カーはイイ!
何が良いって、このグダグダ感を醸し出しまくりながら、それでも強引に落としてしまう力技が凄い。
これがカー以外の作家の作品だったら、絶対に「ふざけるな! そんな面倒臭いこと誰がするか!」と、怒鳴ってしまいそうなところだが、カーだから許す。うん、あり。
こういうところが、カーの魅力だから。

だいたい、この壮丁が素晴らしい。
早川さん、良い仕事してますね~って、声を大にして言いたい(笑)
このいかにも怪しげな紅白模様のテント。その中には、これまた怪しげな水晶玉が置かれ、テントの上には事件を象徴するかのようなライフル銃が一丁。
これだけで、事件の全体像が分かります(そうでもないか)
秀逸なのはライフルの上に描かれた雷(笑)
こんな所にまで、ミスリードは要りませんから。
あとがきに作家の若竹七海さんがカーにいて語られていますが、ここだけでもカー好きが読んだら楽しめるというもの。とくに激しく同意だったのは、ミステリ初心者にカーは薦めないという点。私も生まれてこの方、普段本を読まない方に(あるいはミステリを読まない方に)、一度としてカーを薦めたことはありません!(ここはキッパリ)
こんな読み難い本、あるいは当たり外れの激しい作家の本なんて、絶対に人に薦められたものじゃないから。そういう意味では、カーって作家は人に薦められて出会う作家ではなく、自分で探し当てる作家だと言えると思います。
ちなみに私がミステリ初心者に薦めるなら、クリスティかクイーンですから(ここもキッパリ)
もっとも、クイーンも当たり外れがあるっちゃ~、あるけどね(笑)
まっ、それも含めてミステリは楽しいということで。
天工舎一級建築事務所
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コメント

  1. iu-kikaku より:

    こんにちは。
    相変わらず、読書できていない私です・・
    読書の秋にむけて、何か探そうかなぁ。
    ポチしてゆきます!

  2. みけねこ より:

    探偵長様、こんにちは。
    読みにくさ、初心者向きではないのはヴァン・ダインも同じですよね(笑)
    私これいつ読んだだろう…と読書メモを見たら…なかったです★おかしい読んだと思ったのにー!…と思うくらい、カー(カーター・ディクスン名義含め)たくさん出てますからねえ。
    カー好きな人って幸せですよね♪
    来月に出るジャック・カーリイのシリーズ新作に向けて未読本を読もうと思ったんですが、ちょっとブレーキが…(汗)
    私も頑張ります!

  3. 安井俊夫 より:

    iu-kikakuさん、お疲れ様です。
    本を読むのって、勢いと言うか、体力というか、気合が必要かもしれませんね(笑)
    いやそれ以前に、自分にとって何が面白い本なのかを探すことが難しく
    本屋さんで呆然としてしまうかもしれませんからね。
    建築が関係する本など、ひょっとすると楽しめるかもしれませんね。それもなるべく学問じゃないのがお勧めです。なんせ自分が勉強嫌いなので(笑)

  4. 安井俊夫 より:

    みけねこさん、こんばんは。
    たしかにヴァン・ダインも読み難いかもしれませんね。
    ひょっとすると翻訳のせいでしょうか?(笑)
    カーが好きな人は、読みにくい本に当たると喜ぶ方が多いような気がします。ちょっと変態なのでしょうか?(笑)
    ある意味では、正統派ではないのかもしれないと思っています。
    でも日本の作家で読みにくいと、思わず「イラッ」としてしまうのですから、勝手なものですね(笑)