その中学校の3年3組には、「死」に近付いてしまう忌まわしい呪いが存在する。今年は、その呪いがある年なのか、それとも――。
綾辻さんは、やっぱり上手いですね~。何が上手いって、まず文章が端正。それに謎の提示の仕方、物語へ惹き込む筆圧の高さ。物語の序盤から随所に散りばめられた小さなアイテムの隠し方が秀逸。それらを丹念に拾いながら読むと、謎解きの楽しさが死への恐怖と相まって、より物語に深く嵌まっていけます。
もともとホラー作品には、ミステリに通じる要素がたくさんあります。なぜなら一昔前には、ミステリとホラーと言った具合に、両者を明確に線引きなどしていなかったからです。
例えば世界最初のミステリ作品として有名な『モルグ街の殺人』も、読み方によってはコテコテのホラーと見ることが出来ます。猟奇的な殺人現場、死体の損壊の具合は、ホラー以外の何者でもありません。
また日本に貞子ブームを起こした鈴木氏の『リング』は、謎解きの面から見れば、完全なミステリです。連鎖する死の謎や原因を探り、現象を見つけ、連鎖を止めようと奔走する姿は、本格的な謎解きと読むことも出来るからです。
大切なのは、その作品の面白さであり、どう楽しもうかと臨む読者の姿勢かもしれません。綾辻作品を久しぶりに読みましたが、また読まなきゃ! と思わせてくれた作品でした。
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コメント
こんにちは。
なるほど・・です。
リングは以前、シリーズ全部読みました。
ホラー扱いの社会現象でしたが、深い話だと思いました。
あれ?いつから本離れが進んじゃったんだろう・・??
ポチしてゆきます♪
探偵長様、こんにちは。
以前、『Another』の京都でのサイン会に並んだとき、待ってる間にぐいぐい引き込まれてしまって、時間の経つのを感じなかったことを思い出します。
面白いですよね、この作品。
今コミカライズされてますし、もうじき映画も公開されますし。特に映画は楽しみです。あのプロットをどうやって実写化したんだろう?と。
綾辻先生がTwitterで、館シリーズの新作をほぼ書き上げてあとはエピローグの部分だけ、というようなことを呟いておられました。ミステリ界はまたお祭りですね♪
iu-kikakuさま、お疲れ様です。
リングのシリーズを全部読まれていたのですね。
それは凄い!
ホラー系を探して読まれてみては如何ですか?
きっとこれから迎える冬を、よりいっそう涼しく過ごせるかもしれませんよ(笑)
ちなみにリングの著者・鈴木さんは、赤ちゃんのオムツを変えながら原稿を書いたと
講演会で話されていました。
そう聞いた途端、貞子=オムツのイメージが出来てしまいました(笑)
みけねこさん、こんにちは。
『Another』、映画になるんですか?
うわー、それは楽しみー!
綾辻作品て、映像にし難い作品が多いような気がしますよね、『十角館』とか『迷路館』とか(笑)
新作の館シリーズも楽しみですね。