基礎パッキンの役割


工事現場でよく聞く言葉に「パッキン」がある。
これは金髪のオネエチャンのことではなく、詰め物とか充填材のことをいう。水道管を繋ぐときにも、その繋ぎ目から水が漏れないように白いセロテープのような物を巻くことがあるが、あれもその意味ではパッキンと言えるだろう。つまり詰め物をすることで、隙間を無くすことを目的としている。
ところが最近の木造住宅の現場では、基礎と土台の間に敷く、黒いゴムのようなものを見掛けることがあるが、あれの名を基礎パッキンという。だが基礎パッキンは詰め物ではないし、隙間を埋めるためのものでもない。それどころか、逆に隙間を開けるために設けられているから、物の名前というのは、つくづく難しい。
この基礎パッキン、厚みが20mm程あるものが一般的で、これを基礎と土台の間に適当な感覚で挟みこんで敷く。(いや本当はテキトーな感覚じゃないけどね/笑) すると基礎パッキンが無い部分では、土台と基礎の間に20mmの隙間が開くことになる。この隙間が建物の外壁部に設けられていることで、床下の換気をしようと考えられている。
ところが最近では、さらにこんな基礎パッキンもある。土台の下の黒い部分が基礎パッキン ↓
基礎パッキン
よく見ると、スリットが入っている。


拡大するとこんな感じ。
基礎パッキン
このスリットから換気しようと考えられたものでしょう。
いろんなものが出てくるねぇ~。
基礎パッキンが出始めた頃は、「所詮ゴムみたいな物だから、へたって潰れちゃうんじゃないの?」なんて声もよく耳にしたが、今ではそんなことを言う人はもう居ない。逆に一昔前によく見かけた、床下換気口を設ける新築現場を見なくなった。サザエさんの家のような、縁の下を見ることなど皆無に等しい。あれはあれで憧れるんだけどなぁ・・・・・・。
漫画の『ばらかもん』を読んでいると、近所の子供が縁の下から家の中に侵入することがあって、読んでいて楽しいのだが、あんな光景はもう都市部では無理でしょうね。防犯的にも(笑)
ちなみに基礎には「馬鹿穴」とか「人通口」なんて物もある。
どちらも文字だけでは、なんのことなのか意味が分からないですよね(笑)
天工舎一級建築事務所
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コメント

  1. iu-kikaku より:

    こんにちは。
    >サザエさんの家のような、縁の下を見ることなど皆無に等しい。あれはあれで憧れるんだけどなぁ・・・・・・。
    わかります!なんかいいですよねぇ。
    ポチしてゆきます☆いつもありがとうございます!

  2. 安井俊夫 より:

    お疲れ様です。
    最近は縁の下がある家を、見掛けなくなりました。
    と言うことは、「縁の下の力持ち」と例えても
    意味が通じなくなる時代が、やってくるのでしょうか?
    ひょっとして、既に通じない時代ですかね?(笑)