傾斜地の建物を計画するとき、頭を悩ませるものの一つに、車との関係がある。
駐車場の位置やアプローチの取り方、駐車スペースの広さ、台数は、と考え出すと何かと悩ましい。
傾斜地の中に建つ建物と駐車場が離れている場合には兎も角、建物の傍まで車路を設け、車を横付けしたいと考えると、これがまたなんとも悩ましい話になる。
車路の幅、突き当りでの転回スペースの必要性、擁壁の有無や舗装の種別、樹木を極力伐採しないルートの検討と挙げればきりが無いのだが、中でも悩むのは車路の勾配のこと。
基準法上、スロープに変わる車路の勾配には決まりがあるが、これは建物に関する規定で、車路の基準は車路を設ける建物用途や場所によっても違ってくる。だけどそんな規制が無くても、バンパーなどの下回りをこすらずに登れる勾配には、車種や車路に進入する道路との角度等によって、自ずと限界値があると言うもの。
また急な角度の車路に無理やり進入した場合、突き当たり部に展開スペースが設けられないような場合には、その急な車路をバックで後退しなければならない。自分が運転することを考えたら、絶対に嫌だ。さてどうする? とまぁ、そんなことを悩み中。
参考までに書けば、商業施設などに見られる立体型駐車場のスロープが、約10%から13%程度。
およそ1/8勾配と言った感じ。(余談ですが、クルクル回る車路って目が回りません?)
悩んでいる計画地の車路が、どー考えても20%勾配、約1/5勾配。つまり商業施設の立体駐車場のスロープの、およそ倍の勾配。さらに言えば、行き止まり部で転回スペース無し。私なら絶対に入りたくない(笑) さて、どうしましょう?
天工舎一級建築事務所
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