『クリスマスに少女は還る』 キャロル・オコンネル著/読了


ニューヨーク州の田舎町に、天才的な知性や特異な才能を持った子供たちばかりを集めた寄宿生の学校があった。クリスマスを目前に控えたある日、その学校から10歳になる二人の少女が消えてしまう。一人はニューヨーク州の副知事の娘で、美貌と知性に恵まれた裕福な家庭の娘・グウェン。もう一人はグウェンの親友で、ホラーマニアのサディ。捜査にあたる地元警察署の刑事ルージュは、自分自身が10歳のときに双子の妹・スーザンが誘拐され殺された経験を持っていた。誘拐した少女を、クリスマスの日に殺す残忍なシリアルキラーの再来か? 恐怖のカウントダウンが始まった――


文庫で読みましたが全623頁ほどの大作です。正直言って250頁ぐらいまでは、登場人物の多さと唐突な場面転換に、何がなんだか分からないまま、振り回されるように読んでいました。
また、読書時間が取れない時に読んでいたので、読めるのは寝る前の、ほんの数十分程。だから翌日、読むときには「これは誰?」と、少し遡って読み返す必要があったから、余計に辛かったです。
ですが半分を過ぎた頃から場面転換にも慣れてきたことや、事件が急激に動き出したこともあり、その緊張感とスピード感で一気読み。久しぶりに昨夜は、時間を忘れて読みきってしまいました。
いや~、そりゃあもう怒涛の展開で、「えっ! えっ! えっ!」と、頭を持たれてグルングルンと振り回されたかのよう。また事件が全て終わり、あれほど激しかった波が静かに落ち着いた頃、まさかまさかの衝撃の真実に、ミステリなのに思わず ウルッ としてしまいました。さらには読後だからこそ分かる、あれも伏線、えっ、これも伏線だったの? と、彼方此方に散りばめられた数々のキーワード。
私も昔からミステリは読んでいるので、そこそこ伏線には気が付くし、ミスリードだって見抜いちゃうこともありますが、これは綺麗にしてやられました。いや~、愉快愉快!
たぶん今年読んだ本の中で、上位に入る面白さでした。
「あたしにあんたを置いていけるわけがないでしょう?」
素晴らしい!!
良い本読んだわぁ・・・・・・・。
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コメント

  1. 岩脇 より:

    素晴らしいんですか!
    書店で何度か気にはなっていたんですけど、買うのをやめてました。
    いつか読んでみたくなりました。
    「九マイルは遠すぎる」も実際には読んでないので、早く読みたいと思いました。

  2. 探偵長 より:

    岩脇さん、こんばんは。
    『クリスマスに』は、その展開の巧みさにも驚かされましたが、場面展開の妙と、あちこちに散らばった複線の帰結が実に綺麗でした。
    そのうえ、「えっ?」と驚かされる最後の最後の真実は、どこかミステリを超えてます。
    もっとも、こういう展開が嫌いな人には、正反対の感想を持たれるかもしれません。
    ですから、あくまでも個人的な意見です。
    『九マイル』は、ロジックが好きな方には、教科書のような本だと思います。
    酒のつまみに如何でしょう。