空気で断熱する


TVドラマ「家政婦のミタ」が、今年一番の高視聴率ドラマということで、随分盛り上がっているそうですね。今夜放送される回がラスマイだそうですが、きっと今夜も高視聴率を叩き出すことでしょう。もっとも、その前にサッカーがあるので、放送時間は繰り下げられそうですが・・・・・・・。
そんな家政婦の三田さんが着ているダウンジャケットが、視聴率の高さを裏付けるように、飛ぶように売れているとの事。けして安い品物ではないのに、TVドラマの影響力って凄いもんですねぇ~。
そんなダウンジャケットですが、あれが温かい理由は、中に含まれている羽毛のお陰――と、思っている人、それは100%の正解ではありません。正しくは羽毛が包み込む、空気のお陰でもあるのです。物に空気を挟み込むことで、断熱性能を発揮させているのは住宅でも同じこと。
たとえば・・・・・・


分かりやすいところでは、「ペアガラス」なんていうのが、そうですね。ガラスとガラスの間に、6mmあるいは12mm程の空気層を設けることにより、熱の伝達を防いでいます。
また、外壁でも建物本体の外側に、空気の層を設けることがあります。 
写真はモルタル吹き付け仕上げの下地、木摺(きずり/横方向に張られてた小幅の板)を取り付ける際に、さらにその下に縦方向の胴縁(どうぶち)を設けたところです。この胴縁の厚みが、およそ12mm程あるのですが、ここを空気の断熱層と捉えています。
外壁 たて胴縁による空気層
勿論、ただ空間を作っただけでは断熱効果が少ないので、より効果的にしようと、温められた空気が上へ上へと昇り、一番高い所から外へ逃げるように考えます。つまり空気を動かすことで、内側に設けられた断熱材への負荷を、少しでも低減させようという考え方なのです。意外と何気なく造っていますが、実はいろいろと考えていたりします。
稀に、「外断熱信者」とも呼べるような方が、設計のご相談にみえることがありますが、そこだけに拘ってしまうと、往々にしてもっと大切なことを見落としてしまうこともありますので、「いろいろな考え方がある」という柔軟な姿勢で、ことに臨まれる方が良いかもしれませんね。
さっ! 私も早く仕事を終えて、サッカーを観ての三田さんを、見たいと思います。
天工舎一級建築事務所
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