『消えた戦国武将』 加来耕三 著/読了


歴史から忽然と姿を消し、その後、人々に忘れ去られてしまった戦国武将と難攻不落と言われた城があった。それが奥飛騨に存在したと言われる帰雲城と、城主・内ヶ嶋氏理だった。天正13年11月29日に起きた大地震による山津波にのまれ、城は内ヶ嶋氏理と一族郎党500余名と共に、一片の痕跡さえ残さずに地中に消えてしまう。この時の彼方に埋もれてしまったミステリーを解き明かすべく、歴史家・加来耕三が調査を開始した――。


考察は城の存在から始まり、財力や武将・内ヶ嶋氏理と他の武将や、幕府との関係性から始められています。ですから歴史考証的にも面白い。その上で、この城には時価2兆とも5兆円とも言われる金銀があり、それらも城と一緒に山津波に飲まれてしまったのではないかと考察されています。つまり消えた城の行方を追うことは、歴史的価値の発見と同時に、財宝の発見にも繋がるのではないかと言うロマンがチラホラと見えてきます。
歴史の謎を探求することは、ある種、ミステリの謎解きに通じるところがあるので、オチまでは言いませんが、この結びならば続編があっても良さそうな気がしました。歴史家の考察があるならば、土木的あるいは工学的な専門家が、地震の影響や現存する山の形状・土質から分析した流土量の考察を行うとが出来ないだろうかと考えるからです。
家臣500余名が住む城となれば、その大きさや建設に適した土地や地形も推察することが出来るでしょう。それらを一つ一つ丁寧に積み上げた上で、天正大地震の大きさを考慮し、山津波を再現させることが出来れば、埋蔵金発見も夢ではありません。
ここは一つ、前田建設ファンタジー営業部に依頼して、工学的に検証して貰っては如何でしょう?
埋蔵金が見付かれば、2兆円ほどは手に入るのですから、ここはドーン!と1千億円ほど投資して、大規模な先行投資をしてみては――。
夢が膨らむ一冊です。



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