『メルカトルかく語りき』 麻耶 雄嵩 著/読了


銘探偵メルカトル鮎が、不可解な事件をロジックの妙で解き明かす中篇五作が収められています。
高校の物理教師が、校舎三階の理科準備室で撲殺されると言う事件を描く『答えのない絵本』。
出入り可能な階段には監視モニターが設置されていたことから、その階は広義の密室だったことが分かる。容疑者は事件発生当時、その階に居た生徒二十人。メルカトルは巧みな論理を展開し、一人、また一人と容疑者を圏外から外し、犯人を絞り込んでいくのだが――。

『密室荘』に惹かれて購入した作品ですが、個人的にはメルカトルが、あまり好きではありません。
ですから、どうしても斜に構えて読んでしまう。その結果、このオチには納得がいかないとか、このロジックには無理があるという具合に、全体的に辛めの評価になってしまいました。
ご紹介した高校での密室殺人を描いた『答えのない絵本』や、楽しみにした『密室荘』のオチが好きではありませんでした。勿論、作品によってはこの結び方でも成立する作品はあるし、過去にもたくさんの名作と呼ばれる作品がありました。ですが連発されると読み手は辛い。期待を高められる分だけ、梯子を外された時のガッカリ度も高くなってしまうというもの。
それともひょっとすると、何かこうもっと高尚な何かに対するアンチテーゼだったのでしょうか?
だとしたら、まだまだ勉強が足りないと反省します。
今日から四月、新しい年度の始まりです。
いろいろと勉強したい気分にさせてくれる、快晴の月曜です。
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