エコロジーに関する疑問や矛盾を、家・町・地球の観点に立ち論じた一冊。
分かりやすい「エコポイント」の話から入り、カタログ性能値の矛盾やフロン回収に関する疑問を投げかけています。
仕事柄、思わず笑ってしまったのは「高気密・高断熱住宅は本当に省エネか?」という章。著者の疑問は当然の話で、読みながら「全くその通り!」と、膝を打ってしまいました。ロハス大好きな方には、お薦め。
世にはびこる森羅万象の「エコ」と名の付くものを、ちよっと斜に構えてみると、間違い無くこの論調になります。ニヒリストではありませんが、とても面白かったし納得しました。
だいたい、「住宅エコポイント」って何ですか?――と、ずっと思っていました。
高気密の断熱材をふんだんに充填し、建物を気密化すると貰えるポイント。結果的に室内は小さなエネルギーで全体を冷暖房出来る環境が整いましたが、その方向を追求すると、熱損失の大きな窓は極力小さくして、閉じた建物を目指さなければなりません。
でもそれって、日本の建物とは違いますよね? しかも一年中、電気に頼らなければならない建物って、本当に地球環境にとってエコですか? そんなこと考えたこと、一度も無いですか?
私、ずーっと思ってました。
これ書き始めると長くなるので止めますが、これから家を建てようと考える方は、一度エコロジーって何だろう? 環境に負荷を掛けない建物って何だろう? 自然に優しい生き方、自分に、町に優しい生き方って何だろうかと、考える必要があると思います。そんなことを考えさせてくれる一冊です。
天工舎一級建築事務所
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