木造住宅の中間検査を義務付けている市町村が増えている。小田原市もその一つ。
中間検査とは建物が上棟し、筋違いや補強金物が取り付けられたタイミンクで、その内容が間違い無いことを確かめる検査なので、やらないよりはやった方が当然良い。ただし設計監理されている建物の場合には、監理者がそれ以上のチェックをしているので、この辺りの検査は完全な義務的作業と言えなくもないが、念には念だから悪いことではない。
この検査を受けるタイミングだが、検査を受ける柱や梁の構造体が固定されていることは当然だが、それ以外にも忘れてならないのが、「屋根葺き工事が終わっている」という事だ。
「柱や梁のチェックなのに、なんで屋根が出てくるの?」
なんて声も聞こえそうだが、よく考えれば至極当たり前の話で、屋根を葺き、その荷重を建物に掛けた上で、梁や柱を固定していく必要があるから。
厳密に言えば、屋根の材料荷重(ルーフィングや野地板などの重さも含めて)が無い状態で柱・梁を固定し、その後荷重を掛けたとしたら、絶対にどこかに歪みがくる。
だから中間検査時に、屋根が葺き終わっていることは当たり前だと思っていたのだが、今は結構、その辺りが緩いらしいと聞いて、チョッと驚いたので書いている。
凄く重大なことではないし、構造的に致命的な問題でもないのだが、一つ一つの作業を当たり前に積み上げていくことが、当たり前の家造りに繋がっていくと考えている。何よりもスピードが勝る時代なのかもしれないが、惜しんではいけない時もある。きっと無駄な時間ではない筈だから。
天工舎一級建築事務所
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