『論理爆弾』 有栖川有栖 著/読了




今年最初に読んだ本は、昨年末に出版された有栖川有栖さんの『論理爆弾』です。

大東亜戦争をきっかけに日本は南北に分断され、北海道は日ノ本共和国として独立。探偵活動が法律で禁止された世界で、17歳の少女・空閑純(そらしずじゅん)が、行方不明の母の消息を求め、九州の山奥にある深影村を訪れるのが今回の物語です。
純の両親は法の目を逃れながら探偵として活躍していたのですが、母は事件を追い行方不明となっていました。父は探偵活動をしていることが発覚し、逮捕されてしまいました。(前作『闇の喇叭』)



一人ぼっちになってしまった純は、母の消息を求め山深い寒村を訪ねるのですが、その頃、北の工作員が秘密裏に日本に侵入しテロ活動に暗躍していたのです。そのせいで深影村に通じる唯一のトンネルが塞がれ、村は孤立してしまいます。外界から閉ざされた寒村で、不可思議な連続殺人事件が発生するのです。果たして純は探偵活動を行うのか? 犯人は? 北の工作員との関連は?――

60年代後半にTVドラマで「河童の三平」という妖怪物のドラマを放送していました。主題歌が「ゆらり ゆらら ゆららら」といった感じの曲で、子供だった私は、けっこう怖がりながら観ていたことを覚えています。



物語は妖怪の力を手に入れた三平少年が、その罰として妖怪の世界に連れ去られてしまった母を探し求める物語です。行く先々で起こる妖怪がらみの事件を解決していくというものだったのですが、なぜか、このドラマのことを思い出しながら読んでいました。



きっと主人公の純も、推理力と行動力、そして母への強い想いと言う武器を手にして、これから旅を続けていくことになるのでしう。その活躍と成長を楽しみにしながら、続編を待ちたいと思います。





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