『池袋ウェストゲートパークXI 憎悪のパレード』石田衣良 著/読了

IWGPシリーズ11作目。
池袋のトラブル・シューター真島誠も、今ではスマホを握りしめている時代。
当然、池袋の街に蠢くトラブルも、今ではカラーギャングの抗争などではない。
今回は、脱法ドラッグ・仮想通貨・そしてヘイトスピーチが、街を汚していく。

テーマは理解するし、展開も悪くない。
なによりマコトも崇も好きだから。(あとサルも)
だけど如何せん、年を取り過ぎた。
妙に大人だし、妙に優しい。
崇の静かな冷酷ささえも、歳のせいかと思えてしまうほど。
この先、どっちの方向に行くのか、凄く心配。
ちなみに本作を読む前には、前作の『PRIDE』や、その前の『龍涙 ドラゴン・ティアーズ』を読んでおいた方が良い。じゃないと誠とクーの関係が分からないだろうし、クーがサルや崇から可愛がられている理由もわからないだろうから。
ひょっとすると、クーの登場した前々作辺りから、差別問題を描く構想はあったのかもしれないな。