壁にほんの少しの窪みを設け、小さな額やオブジェを飾る。
それは生活する上で、絶対に必要な物ではない。
でもあれば、ほんの少しだけ癒される。
想像できる。
夫婦二人の写真が飾られる時があり、そこに子供の写真に増える時代。
ペットが増えているかもしれない。
七五三や入学式、成人式や子供の結婚式の写真を飾る時も来るだろう。
そしてもっともっと時が過ぎ、また夫婦の写真に戻るかもしれない…なんてね。
小さな「ホッ」とする瞬間が、家族の疲れを癒すかもしれない。
絶対必要な物ではないかもしれないけど、あっても悪くないよね。
家って、そういう小さな「ホッ」を、感じられる場所。
そしてその積み重ねが人生になる。
住む人の、そんな小さな「ホッ」を、想像しながら設計する。
設計と言う仕事は悪くない。
もちろん仕事だから大変なこともあるし、辛いことだってある。
時には信頼するクライアントから、アッサリと裏切られて凹むこともある。
それでも、家を造ることは楽しい。
良い仕事だと思う。
彼の歌が心に沁みる。
ニッチもサッチモ、ほんの少しの「ホッ」を、感じさせてくれる。