進行中の設計作業が、突然中止になってしまうことが稀にある。
その理由は様々だが、一番辛い理由はクライアントの病気だ。
誰も好き好んで病気になるわけではない。ましてやこれから家を建てよう! あるいは店を作って頑張ろう! と、人生の中でも大きな転機となる一大事業に向かうと言う時は、いつも以上に勢いがある時。そんな時に思いがけず病気になり、計画を中断して治療に専念しなければならない程の病気を患ってしまうことが、ご本人にとって、どれほど辛く悔しいことか。
そしてそんな想いを抱きながら、それでも懸命に設計の突然の中止を詫び、病気の様子を伝えようとして下さる。そのお話を聴いているだけで、こちらの息が苦しくなる。ましてクライアントが私の御提案を高く評価し、御自身の考えていた予算をはるかに超えても、その方向で行きましょうと、ご理解いただいてたのだから尚のこと。
家を造る、建物を造るという事は、そういう現実に寄り添いながら行う作業である。大抵の場合は、クライアントの笑顔や希望を感じながら仕事を行うことが出来るが、本当に稀に辛さや悲しみを感じることがある。そして良い時よりも悪い時の方が、クライアントの気持ちにシンクロしてしまうのは、私の昔からの悪い癖。
今は治療に専念して、病気を完治された後に、また声を掛けて下さい。
そして計画を完成させ、理想に向けて行動していただけることを、心から願っています。
少し酒を控えていましたが、今夜は呑みます。
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