大涌谷の変と新国立の変

朝から弱い地震が三度続き、三度目の地震は震度3だった。昨日は火山灰にも似た灰状の物が降ったと聞くし、ひょっとして活動が活発化しているか? だがほんの数日前には「沈静化の兆し」という見出しで書かれた記事も見たし、本当のところはよく分からない。なんせ相手は自然の話。人間如きが全てを知ることなど、なかなか難しいのでしょう。いずれにしても大きな騒動にならなければ良いと、静かに願うばかりです。
大きな騒動と言えば、計画が迷走している新国立競技場。結局のところ、当初案をほぼ踏襲した形で決着するらしいが、当初予算の倍以上の費用となる見込み。しかねその中には屋根の可動部分は含まれていない。つまり別途工事で、費用は数百億円とのこと。なんとも気前の良い施主だ事で、日々の仕事から比べると羨ましい限り。
これを住宅の新築計画に置き換えてみる。例えば2000万円で造ることが可能な家を設計してほしいと言われ、計画案を提出する。ところが計画案を基に概算見積りをしたら、4500万円は下らないと算出された。それじゃあ予算オーバーだから、当初案のコンセプトを残したままで減額案の作成を求めたら、今度は3800万円ぐらいで造られる家のプランが提出された。
確かに減額されてはいるが、もともとのプランに無理があったのでは? と、親戚の建築士さんがアドバイスをくれ、「こんなプランなら約2000万円で出来ると思うよ」と、ご丁寧にもラフプランまで提案してくれた。だがそれを見たクライアントは、「やっぱり最初の形が素敵ね~」という。仕方ないので、当初から考えていた太陽光パネルの設置を別途工事とし、オール電化仕様を止めてガスとする。その他にも、後で工事出来るものは後でいいからと妥協し、3500万円の家で行こうと決意する。
問題は予算オーバーした1500万円。まずは親戚の家を訪ね、「なんとか500万円貸して貰えないだろうか?」と、お願いしてみるが、親戚からは「は? 何言ってんの?」みたいな冷たい対応。
敷地の一角に自動販売機を設置し、その売上の一部を返済に回せないだろうかと考えたり、2階のひと部屋を下宿として貸出して、その家賃で返済の一部を担おうと考えてみたりしているところ。←たぶん、今ここ。
どんな形で決着するのか全く先が読めないが、無理をすると何かと後が大変なのは、どんな場合でも同じだと思うのですが、さて。
ちなみに大涌谷の変は変化の変で、新国立の変は変更の変のつもり。