小田原市芸術文化創造センターも工事金額が折り合わず

世間では2020年の東京オリンピックのロゴのコピー疑惑や、新国立競技場の遣り直し問題などで騒がしいが、ここ小田原でも同じような騒動が静かに起きている。それが、小田原市民会館の建て替え計画の話だ。市は72億9700万円で予算を組んでいたものが、入札された見積り金額は93億8800万円。20億円以上の金額の差は、そう簡単に埋まるものではなく、計画の見直しを余儀なくされるという話。

市民会館と呼ばれたこの建物を、老朽化を原因に建て直そうと話が出たのは昭和61年。平成5年には小田原市の未来を見据えた中で重要な建物と位置付けられ、その翌年には建設検討委員会が発足。基本構想案を策定し、平成17年に設計案を募集し、その年の暮れに建築家の山本理顕氏に決定する。翌18年から基本計画案の設計が始まり、実施設計へと進んでいく。だが平成20年に小田原市長が変わると、計画自体がボツとなる。(この辺りの事情は長くなるので割愛)

そして「城下町ホール」という名称も新たに、「芸術文化創造センター」と変え、平成25年に新たに設計コンペが行われる。そして選ばれたのが、建築家の新井千秋氏。そして実施設計に着手し、平成27年の夏に工事見積もりを行うことになる。そしてその見積額が、約20億円合わなかった。←いまここ

まぁ、いろいろと気になる点はあるけど、一番気になることは、なぜ見積りした建設会社が一社だけだったのか? と、いうこと。ふつう見積りとは数社が行い、その中で最低落札業者が受注するもの。それなのに一社だけしか入札していないのなら、そもそも「競争入札じゃないジャン!」と思うのですが、はて? この辺りの事情を、誰かに聞いてみたい。

二つ目の気になる点は、「なんで見積金額が20億円も開いてるの?」と、いうこと。この計画が一度目ならばまだしも、山本氏の設計を白紙にしたうえでの二度目の設計。それが20億円の金額差って、なんなの? 新国立とは工事費の桁が二ケタほど違うけど、人口19万程度の地方都市において、何度も何度もコンペをしては建築家を決める。そして設計報酬を支払ったうえで、まとまったら白紙撤回。新たにコンペを遣り直して、また設計。そして見積もれば不調。(不調とは金額が折り合わないこと) 

小田原市はこの結果を踏まえて、工事を東京五輪後まで延期するか、現行予算内での設計を見直す。あるいは小ホールなどの工事を後に行うこととする分離・分割発注の検討。公募型プロポーザルを実施し、民間企業からの資金確保の事業提案を求める。などの対策案を検討している。

言葉が悪くて申し訳ないけど、「馬鹿なの?」 って言いたい。

2020年以降に延期したら、工事費が下がるの? そもそも既存建物が老朽化して、耐震性に問題があるからの建て直しじゃないの? 分離発注すると安くなるの? 私の経験から言えば、経費が倍掛かるから高くなると思うけど。それに建物用途から考えて、使いにくくならない? それも本末転倒だよね。民間企業に、「何か儲かる方法を教えてください」って聞くのはありですか?  その結果、またハルネの二の舞を見たいのですか? どれも無いよね。普通に考えたら、設計の遣り直しが一番リスクが少ないと思うけど、そこは言えないのかな?  ここまで迷走していると、申し訳ないけど建てる気が無いんじゃないかと思えてしまうほど。
そしてなにより気になることは、責任者の不在ということ。新国立競技場の件然り、五輪エンブレムの件然り、そしてこの文化創造芸術センターの件然りだけど、どうして誰も責任を取らないの。どうしても誰も「私が悪かった」と、言わないのだろう。ズルいよね。責任が有耶無耶で、誰も責任を背負わずに、そのくせ普段は、雲の上から見下ろすがごとくの傍若無人ぶりを発揮し、一業者なんか虫けらごとくの扱いをしておきながら、問題が起きた時には蜘蛛の子を散らすように姿を消す。そんなのありか?
昭和61年—1986年から30年の月日が流れたが、市民会館が建て直されるのは 、まだまだ先の話だろうね。

コメント

  1. 部隊研究会より より:

    日本全国で劇場ホール建て替えの話はあるがいつも問題と成るのがお金と業社選定
    行政のお偉い野郎の癒着
    骸骨のようにはむりか???????????